後藤まりこアコースティックviolence POP『未来』を聴いて

●公式通販で購入して届いたもの
『未来』、特典CD-R、後藤まりこ友の会『未来版』、
『未来』リリースツアー《タペタム》のフライヤー、ステッカーなど


何かを書こうとしたのだけれど、何も書けずに20分くらい経っていた。『未来』を聴きながら感想やいまの自分の気持ちでも書けたらと思って『未来』を収録順どおり流していたのだけれど、7曲目の「halo」が流れてきたところで急に涙がぶわっとなってもう体がぐでーっとなっているところです。
20代の途中(?)までは、自分が書いた文章を好きだと思えることが多かった気がするけれど、35のいま、というか、いつからか、これまで書いてきたことに対しても、これから書こうとしていることに対しても、どこか「これじゃない」という感覚がつきまとうようになりました。このブログで一個前に書いたことなんかも怖くて読み返せない。それは「書きたいことを書けていないのでは。というかあなた書きたいことなんてあるんですか」という内容レベルの話でもあり、「この書き方、なんか違う気がする……」という文体レベルの話でもあり、とにかくもうこれを書いているいまも何をどうしていいかわからないわけです。である調にするかですます調にするかも決められません。どっち違う気がする。Aと思った自分がいて、そのAに対して批判的なまなざしを向けているBという自分がいて、そのBをまた一歩引いて見ているCという自分が……というループも当然終わらないわけです。じゃあ書かなければいいじゃないと自分でも思うけれど、それができたら悩んでない。一言でいうと、言葉を使うのがヘタなんだと思う。あと、自分に甘いんだと思う……←ここ、直したい……。
そういうとき(どういうとき?)、音楽はわたしをわたしから解放してくれます。すぱーんって何かが突き抜ける感じ。そう思うと、そもそも音楽について何か言葉を尽くすこと自体が不可能なことに思えてくるわけですが、好きなことについて黙っていたせいで好きなことがなくなったらとっても悲しいので、いつからかこのようにだらだらした文章を書くようになってしまいました。それで失敗をすることもたくさんあるのだけれど……。

「◯◯がなかったら(いなかったら)自分は死んでいたな(死んでいるな)」と思う対象はいくつか存在していて、音楽はその一つです。別に音楽に詳しいわけでも、楽器をうまく弾けるわけでもないのですが、さっき書いた「すぱーん」というあの感覚がない世界を想像すると恐ろしくなります。そんな音楽の中でも、わたしにとって後藤まりこさんの音楽は特別なものの一つです。まだ十代で腕やら脚やらを切っていた2007年ごろ(?)に初めて後藤さんの音楽を知り、結婚して何とか人間らしく――いや、人間らしくはないかもしれないけれど、そこはいま重要じゃない――暮らしているいまでも大切な音楽で、『m@u』の中の「4がつ6日」なんてもういつ聴いてもひときわ盛大に「すぱーん」ってなるし、『ゲンズブールに愛されて』に入っている「replay ATAMI」を聴いているときはいつもわたしの心は熱海あるいは「すぱーん」っとふっとばされた先のどこかにいます。今回の『未来』に入っている「アイライブユーは止まらない」のMVを初めて観たときにはもうとてつもなく、それこそ、なんかこう、結局「すぱーん」ってなるのね。あれほどすてきなMV観たことありますか。貼ります。



『未来』には、「ライオン」「麻薬」「来世も君とっ!」「夜の王様」「アイラブユーは止まらない」「亡霊たち」「halo」の7曲が収録されていて、文字どおりどれもすてきな曲です。わたしは何者でもないただの肉のかたまりなので、もうこれを誰に向けて書いているのかもよくわからないのですが、何かの拍子にこの文章にたどり着いた人がいたとして、もしまだ後藤まりこさんの音楽に出会っていないのだとしたら、まずは、ぜひこの『未来』を聴いてみてください。特典CD-R(特典CDではなく、特典CD-Rです。そこもすてきです)に収録されている「渦」と「贋作」の2曲もすてきな曲なので、もし購入予定なのにまだ購入していない方がおられましたら、ぜひ特典CD-Rが手に入るところでご購入してくださいませ。公式通販でもまだつくみたいです!

最後に『未来』のtrailerを貼ります。